演題を募集いたします。
募集する講演形態は、次のとおりです。
- 一般演題(公募)
- 主題演題(公募)
- 指定演題
皆様からの多数のご応募をお待ちしております。
なお、公募演題の採否・発表形式・発表日時等は、会長にご一任ください。
「指定演題」は指定演者の先生のみ、ご登録をお願いいたします。
演題登録画面へ進むボタンは本ページ下部にございますが、以下の注意事項を十分お読みいただいたうえで演題登録画面にお進みください。
1. 演題登録方法
UMINシステムを用いたオンライン登録です。
本ページ下部の「新規演題登録」ボタンから、案内にしたがって演題の登録を行ってください。
演題登録後、締め切り前までは、登録内容の修正が可能です。
2. 演題募集期間
2024年 12月 17日(火)~ 2025年 1月 28日(火)
2月 12日(水)正午まで延長しました。
- 締め切り直前はアクセスが集中し、回線が混雑することにより演題登録に支障をきたすことも予想されますので、余裕を持ってご応募いただくことをお奨めいたします。
- 演題登録後、締め切り前までは、登録内容の修正が可能です。
- 原則、締切日以降の抄録の差し替えや登録内容の変更は受付できませんので、修正は必ず演題登録期間中にお済ませください。
3. 応募資格
- 筆頭演者ならびに共同演者は、日本膵臓学会の会員に限ります。ただし、メディカルスタッフ、学部学生、医師免許を有しない大学院生の方は、会員・非会員を問いません。 非会員の方は、下記URLにて必ず入会手続きを行ってください。
※入会申請中に演題登録を行う場合は、会員番号入力欄に「99」とご入力ください。
- 演題は未発表のものに限ります。
- 研究内容、倫理面等を総合的に評価のうえ採否を決定し、口演発表とポスター発表に分類します。
- 主題演題については、不採用になった場合、一般演題としてご発表いただくことが可能です。
採否については会長一任とさせていただきますので、ご了承ください。
【日本膵臓学会 入会・各種変更届】
http://www.suizou.org/apply/tetsuduki.htm
なお、会員番号がご不明な方は、下記までお問い合わせください。
会員番号お問い合わせ先
- ※
- 入会申請後から、会員番号付与まで1か月程度お時間を要します。
指導医・会員情報管理事務局
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1パレスサイドビル7F
(株)毎日学術フォーラム内
4. 公募演題の抄録文字数と共同演者の登録制限について
- 演題名:全角40文字以内(スペース含む)
- 抄録本文:全角800文字以内(スペース含む)
- 演者数(筆頭演者+共同演者):20名まで
- 所属施設数:10施設まで
- 総合計文字数(演者名・所属・演題名・抄録本文の合計):全角1,000文字以内(スペース含む)
- ※
- 演題募集期間終了後、修正、共著者の変更・追加等には対応できかねますので、予めご了承ください。
5. 登録方法・登録時の留意点
1)応募する「セッション」を1つ選択してください。
2)公募のセッション(一般演題もしくは主題演題)を希望される場合、以下より希望カテゴリーを1つずつ選択してください。
第1希望カテゴリー
(ア)膵内外分泌 (イ)内視鏡 (ウ)手術 (エ)抗癌薬・放射線
(オ)急性膵炎 (カ)慢性膵炎 (キ)自己免疫性膵炎 (ク)膵癌
(ケ)膵神経内分泌腫瘍 (コ)嚢胞性膵腫瘍 (サ)その他の膵腫瘍
(シ)膵移植 (ス)メディカルスタッフ (セ)その他
第2希望カテゴリー
(ア)基礎 (イ)診断 (ウ)治療 (エ)症例 (オ)その他
3)一般演題に応募される方は、「口演」もしくは「ポスター」のどちらかを選択してください。
4)主題演題(特別企画、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ)に応募される方は、下記をご確認のうえ、セッションを1つ選択してください。
主題演題には一部指定枠が含まれます。また、指定のみのセッションがありますのでご了承ください
特別企画1
「< ビデオセッション > Pancreas Cup of Endoscopy(英語セッション)」
- 司 会:
-
司会の言葉
Endoscopic diagnosis and treatment of pancreatic diseases have been evolving remarkably. Previously, the main role of endoscopy in this field was diagnosis based on pancreatography of ERCP and B-mode image of EUS. However, the indication of endoscopy has recently expanded to various therapeutic fields. Advances in interventional EUS made it possible to approach the pancreatic region through routes previously considered inaccessible by endoscopy. As a result, it allowed several new techniques such as drainage of pancreatic cysts/WON, endoscopic necrosectomy, drainage/access to main pancreatic ducts, drug injection, and ablation therapy. However, these procedures are not only challenging but also have a potential risk of serious adverse events. This session will call for papers introducing new and attractive EUS- and ERCP-related techniques for pancreatic diseases. Presentations in eccentric and original costumes are also welcome and will be scored accordingly.
特別企画2
「Pancreas Cup of Surgery(英語セッション)」
- 司 会:
-
- 大塚 隆生
- 鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科消化器外科学
司会の言葉
Pancreatic surgery is one of the most challenging procedures in the field of gastrointestinal surgery. It requires advanced technical skills, particularly in surgeries for advanced pancreatic cancer and minimally invasive pancreatic surgery. Given the high incidence of complications following pancreatic resection, it is crucial to prioritize safety and perform the surgery with utmost caution. Additionally, reducing operative time and minimizing blood loss are also important for patient recovery. In this session, we would like young pancreatic surgeons to present their surgical videos with a focus on key considerations such as safety, curative intent, operative time, blood loss, and postoperative complications. The surgeon who presents the most educational video, demonstrating the potential for providing better outcomes for patients, will be awarded a prize based on the opinions of experienced experts.
特別企画3【指定演者のみ】
「膵診療における女性医師のキャリアパス (英語セッション)」
- 司 会:
-
- C.Mel Wilcox
- Division of Gastroenterology and
Hepatology ,
University of Alabama
司会の言葉
近年、医療の現場において女性医師の活躍がますます注目されており、特に膵診療の分野でもその役割は大きくなっています。しかし、高難度手技、長時間手術など、女性医師がそのキャリアを築く中で直面する課題も多岐にわたります。本日は、そのような課題にどう対処し、どのようにして成功を収めてきたかを共有することを目的として「膵診療における女性医師のキャリアパス」という重要なテーマを設けました。専門分野の垣根を越えて、膵診療の第一線で活躍し、また女性医師としてのキャリア形成においても多くの示唆を与えてくださる方の応募をお待ちしています。貴重な学びの時間となることを期待しております。
In recent years, the contributions of female physicians in the medical field have garnered increasing attention, particularly in the area of pancreatic disease. Female physicians play significant roles in this specialty. However, they face a variety of challenges in building their careers, including high-difficulty procedures and long-duration surgeries. To address these issues, we have established the important theme for this session: "Career Paths for Female Physicians in Pancreatic Disease."
This session aims to explore how these challenges can be overcome and how success can be achieved. We invite proposals from female physicians who are at the forefront of pancreatic disease and who can provide valuable insights into career development. Your experiences and perspectives are crucial for enriching the dialogue and providing guidance to others navigating similar paths.
We look forward to receiving applications from those who have demonstrated leadership and achieved significant success in their careers. This session promises to be a valuable learning experience for all attendees.
※UMINでは選択可能ですが、指定演題のためご注意ください。
特別企画4
「< U-45セッション > 私が膵臓指導医を目指した訳」
- 司 会:
-
司会の言葉
日本膵臓学会では2017年から指導医制度が開始され、膵疾患診療のエキスパートとして認定された指導医が全国で活躍している。膵疾患患者が最初に訪れることが多い内科は、病態生理から内視鏡・画像診断を含め膵疾患に関する幅広い知識と経験が求められる。また、内視鏡インターベンションの飛躍的進歩により、内科側の膵疾患に対する治療範囲も格段に広がったが、次世代への技術継承も指導医の重要な役割である。
一方、膵疾患の診療は外科の面でも大きな変革期にある。膵癌に対する外科切除は手術術式による治療成績の改善は限界に達する一方、進歩する化学療法、放射線療法を取り入れた集学的治療が広く行われるようになった。また、周術期管理についても栄養療法やドレーン管理の重要性が認識され、膵切除の安全性が飛躍的に高まった。加えて、この数年でロボット支援下手術が急速に広まり、今後、安全性、予後への影響も含めた有効性が検証されていくであろう。
このような変革の時代に、本セッションでは、若手のリーダー世代であるU-45の皆さんに膵臓指導医の魅力を語ってもらい、次世代への発展の大いなる一歩になる事を期待している。
日本膵臓学会企画2【指定演者のみ】
「膵臓学を紡ぐ若手会」
- 司 会:
-
- 眞杉 洋平
- 東海大学医学部 基盤診療学系病理診断学
- 長井 美奈子
- 公立大学法人 奈良県立医科大学 消化器・総合外科学
- 向井 俊太郎
- 東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野
司会の言葉
日本膵臓学会若手参画推進委員会は、若手医師や学生に膵臓学に興味を持っていただき、次世代の膵臓学会を担う若手会員の増員ならびに相互交流の促進を目的として、2024年に発足いたしました。その最初の活動として、本セッション『膵臓学を紡ぐ若手会』を企画し、文字通り日本の膵臓学の発展を志す同志の横と縦のつながりを紡いでいく契機となることを期待しています。本企画では、膵臓学関連の外科、内科、病理、放射線、基礎研究など多様な分野で活躍中の45歳未満(または卒後20年未満)の膵臓学会会員の先生方に、これまでに各自が取り組んできた臨床や研究の成果、そして将来展望についてご発表いただきます。次世代へ膵臓学の魅力を伝えていただけることを期待しています。多くの若手医師や学生の参加をお待ちしています。
※UMINでは選択可能ですが、指定演題のためご注意ください。
シンポジウム1
「切除不能膵癌に対する治療戦略」
- 司 会:
-
- 奥坂 拓志
- 国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科
司会の言葉
切除不能膵癌に対し、多剤併用療法を中心とした薬物療法、放射線治療を含めた集学的治療が導入され、治療成績は改善しつつあるものの、依然として患者の予後は極めて不良である。gBRCA、高頻度マイクロサテライト不安定性、腫瘍遺伝子変異量高スコア、NTRK融合遺伝子などの異常が認められればそれに対応した免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬投与が可能であるが、その頻度も種類も少なく、本疾患における個別化治療は極めて限定的である。また、組織採取が容易ではない切除不能膵癌において、いかに効率的に、遺伝子異常を調べるか、現場での施行錯誤が続いている。一方、膵癌の進展にかかわる遺伝子や蛋白のさらなる解明は精力的に続けられており、新たな治療への応用やバイオマーカーとしての活用への期待が高まっている。現在進められている基礎的研究から臨床研究、実臨床での成果まで、幅広くご紹介いただき、今後の治療戦略について展望していきたい。
シンポジウム2
「急性膵炎ガイドライン2021の検証」
- 司 会:
-
- 真弓 俊彦
- 地域医療機能推進機構中京病院 集中治療部
- 廣田 衛久
- 東北医科薬科大学内科学第二(消化器内科)
司会の言葉
2003年に初版が発刊された急性膵炎診療ガイドラインは、20年以上の間、臨床現場で広く活用されてきた。この間、急性膵炎診療の変遷とともにガイドラインは改訂を重ね、常に最新のエビデンスをもとに推奨を決定し提示してきた。しかし、最新版である急性膵炎診療ガイドライン2021[第5版]においても、エビデンスが少なく強い推奨を打ち出すことができなかった重要臨床課題が多く残されている。例えば、重症度判定における造影CTの有用性、初期輸液時のモニタリング方法や初期輸液終了の指標も含めた最適な輸液方法、特に重症例の経口摂取再開時期、4週未満の感染性膵壊死に対するインターベンション、abdominal compartment syndrome やdisconnected pancreatic duct syndromeへの対処などは、本シンポジウムで新たなエビデンスが提示され、議論されることが望ましい。さらに、Pancreatitis Bundles2021の遵守率など、本診療ガイドラインが臨床現場でどのように活用されているか、あるいはどのような影響を与えたかについての検証、急性膵炎診療ガイドライン2021でfuture research questionとして取り上げた臨床課題についてなど、本シンポジウムではガイドライン2021の検証に関する演題を募集する。
シンポジウム3【公募・一部指定】
「膵頭十二指腸切除術における低侵襲手術の適応を考える(英語セッション)」
- 司 会:
-
司会の言葉
Minimally invasive pancreaticoduodenectomy (MIPD) is a highly challenging procedure. With the advent of robotic surgery, MIPD is gradually becoming more widespread worldwide, particularly in high-volume centers. Initially indicated for low-grade pancreatic malignant tumors, distal bile duct cancer, and periampullary cancer, the application of MIPD has now expanded to include pancreatic cancer. However, the stage of pancreatic cancer significantly impacts the complexity of the surgery. While some experts have successfully performed MIPD with portal vein resection in selected cases, the criteria for MIPD indications vary across centers. Moreover, MIPD in cases with major arterial involvement remains a significant challenge, requiring further discussion. Ensuring safety during the learning curve is essential, and selecting less complex cases until surgical outcomes stabilize is preferable. In this session, we aim to explore the appropriate indications for MIPD, focusing on safety, oncological outcomes, and potential therapeutic benefits, with insights from experts.
シンポジウム4
「Cutting edge of interventional EUS for pancreatic diseases(英語セッション)」
- 司 会:
-
- 糸井 隆夫
- 東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野
- C.Mel Wilcox
- Division of Gastroenterology and
Hepatology ,
University of Alabama
司会の言葉
Since its introduction as EUS-guided fine needle aspiration and pseudocyst drainage in 1992, interventional EUS has been established as one of treatment options for various pancreatic diseases and its indications are still expanding. EUS-guided sampling can be now applied to comprehensive genomic profiling or establishment of organoids, in addition to pathological diagnoses of pancreatic diseases. Aside from EUS-guided drainage of pancreatic fluid collection, many interventional EUS procedures such as EUS-assisted rendezvous technique, and EUS-guided pancreatic duct drainage have been intensely investigated in cases with difficult ERCP, and EUS-guided drainage/anastomosis can also be utilized as an access route for advanced endoscopic procedures such as peroral pancreatoscopy. There is also an accumulating evidence for EUS-guided ablation such as ethanol or radiofrequency ablation for pancreatic tumors as an alternative to surgery. While promising results have been reported in interventional EUS, refinement of techniques and devices are still necessary to improve its safety and effectiveness. In this international symposium, we would like to discuss the current best clinical practice and future perspectives of interventional EUS for pancreatic diseases such as sampling, drainage, ablation and other interventions; Pilot or proof-of-concept studies are also welcome. EUS-guided drainage for pancreatic fluid collection will be discussed elsewhere.
シンポジウム5
「Reconsidering clinical role of Conversion Surgery in pancreatic cancer
(英語セッション)」
- 司 会:
-
司会の言葉
Pharmacotherapy for pancreatic cancer has brought about significant changes in pancreatic cancer treatment, and so-called “Conversion Surgery”, which was rarely seen before, is now being seen in some cases. However, survival benefit, surgical morbidity and mortality, and the indications for this surgery, including regimen selection, duration of treatment and condition of the patient to be operated on, are still unclear. The indications for this surgery also depend to a large extent on the drug treatments available, depending on the results of genetic tests such as BRCA variants, MSI-high and NTRK fusion genes.
In this session, we would like to discuss clinical role of Conversion Surgery, its significance, indications and treatment strategies.
パネルディスカッション1
「膵癌において切除不能となる門脈浸潤とは何か?」
- 司 会:
-
- 庄 雅之
- 奈良県立医科大学 消化器・総合外科学教室
司会の言葉
膵癌における門脈浸潤の程度は幅広く,腫瘍によってはResecteable,Borderline Resectable,Unresectableのいずれにも分類されます.また,集学的治療が進む今日の膵癌診療において,門脈浸潤を伴う膵癌の切除適応は未だ完全には統一されていません.外科的切除が技術的には可能であっても,再発率が高く,予後が不良であるなら,切除不能と考えられる場合もあるかと思います.本セッションでは,各ご施設において,膵癌門脈浸潤における切除適応がどのように決定され,どのような臨床的意味を持つのかについて,広範な議論を行いたいと考えています.門脈浸潤の画像診断等の評価方法,手術適応,術式の工夫,術前および術後治療,放射線治療,病理学的評価,再発形式などの幅広い観点から,予後も含めた治療成績を提示いただければと思います.この機会に,最新の膵癌治療アップデートを含めて,切除不能な門脈浸潤に関する議論を深めたいと願っています.外科医だけでなく,放射線科医,消化器内科医,腫瘍内科医など,様々なご専門の先生方から自由な発表を歓迎し,活発なディスカッションを期待しています.
パネルディスカッション2
「膵神経内分泌腫瘍治療の最前線」
- 司 会:
-
- 肱岡 範
- 国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科
司会の言葉
近年、膵神経内分泌腫瘍(panNEN)の治療は格段に進歩している。薬物療法においてはSSA,分子標的、細胞傷害性抗がん剤に加え、PRRT治療が本邦でも2021年より行われるようになり、大きなブレイクスルーとなった。最近ではPRRT再治療に関しても関心がもたれている。また、小病変に対する内視鏡的ablation療法も一部の施設で試みられており良好な成績が報告されている。panNENの外科治療は、腹腔鏡/ロボットなどの低侵襲治療も盛んに行われている一方で、進行症例に対しては、術前/術後の周術期治療やconversion surgeryなどの集学的治療も積極的に行われている。
本パネルディスカッションではpanNENに対する内視鏡治療や腹腔鏡/ロボットなどの低侵襲治療、進行症例に対する集学的治療、PRRT治療の取り組みなど、各施設における治療方針およびその成績をご発表いただき、今後のpanNEN治療の発展につながるような、活発な討議を行いたい。
パネルディスカッション3
「Bench to bedsideを目指した膵疾患研究の最前線」
- 司 会:
-
- 児玉 裕三
- 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科分野
- 水野 修吾
- 三重大学大学院医学系研究科 肝胆膵・移植外科
司会の言葉
膵腫瘍をはじめとする膵疾患を対象とした基礎研究が精力的に進められ、一部は臨床応用を視野に入れた段階に到達している。疾患モデル動物を用いた病態解明研究に加え、臨床サンプルであるヒト生体試料を用いたマルチオミックス解析やマイクロバイオーム研究などが大きな展開を見せている。しかし、これらの研究成果を用いた臨床応用は、一部のバイオマーカーの開発やゲノム医療などに留まっており、未だ各種膵疾患の大きな予後改善などの臨床成果には至っていない。また近年のAIの進歩により各種画像診断のデータベースを用いた診断学の発展は目覚ましく、さまざまな基礎研究ではAIの活用が臨床応用への鍵とも考えられている。本パネルディスカッションでは、このような観点から、各御施設の臨床応用を目指した最新の研究成果についてご発表頂きたい。いかに基礎研究をベッドサイドへ繋げるか、現時点での課題と可能性につき活発な議論を期待する。
パネルディスカッション4
「膵疾患の体外式超音波検査を見直す」
- 司 会:
-
- 北野 雅之
- 和歌山県立医科大学 消化器内科(内科学第二講座)
- 祖父尼 淳
- 東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野
司会の言葉
各種画像診断の進歩、普及により、膵疾患、特に膵腫瘤性病変に対する描出・診断能は飛躍的に向上した。画像検査の基本となる体外式超音波(US)検査においては、Tissue Harmonic Imaging、Elastography、Microvascular Imagingや経静脈性超音波造影剤を用いた造影超音波検査の登場により,膵病変の存在診断のみならず質的診断へとその可能性を広げている。一方、超音波内視鏡(EUS)は、空間分解能に優れ、膵疾患診断における必須の検査法となっており、基本となる体外式USの重要性が軽んじられている傾向もある。体外式USにおいて、検査者間での技能の違いや部位による診断能のばらつきはあるものの、他の画像診断と比較すると簡便でかつ侵襲のない安全な検査法であることから、外来や健診にて無症状例のスクリーニング、膵癌の高危険群に絞ったファーストステップのスクリーニングとして行うのに適しており、間接所見を含めた膵癌の拾い上げにおける有用性も報告されている。本セッションでは、“膵疾患の体外式超音波検査を見直す”ということで、膵疾患における体外式USの描出の工夫やその重要性・有用性について今一度、議論したい。症例報告も含めて多数の演題の応募を期待する。
パネルディスカッション5
「IPMN経過観察症例における診断と治療戦略」
- 司 会:
-
- 大塚 隆生
- 鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科消化器外科学
司会の言葉
2024年にIPMN国際診療ガイドラインが改訂された。HRSやWFに新たな項目が追加され、HRSがあれば手術を、WFのみであれば経過観察を検討する流れに変わりはないが、今回のガイドラインではWFが複数ある場合には手術を検討するという記載が加わった。しかしながらWFがいくつあれば手術を検討するのか、あるいは、WFが複数ある場合に、より手術を考慮するべき項目はどれかなど、経過観察を選択するか手術を選択するかの境界はいまだにはっきりしていない。一方、HRSやWFがなく、20mm未満で5年以上変化がないものについては、経過観察を終了することも検討可能であると新たに記載されたが、併存膵癌が考慮されておらず、さらに経過観察を終了するとすればどのタイミングで終了するかなど、経過観察の手法に関しても議論が必要である。またIPMNに対し膵切除後の経過観察に関する検討も不十分である。本セッションでは、HRS症例を含め、術前・術後に関わらずIPMN経過観察症例の画像フォローのタイミングやモダリティ、手術を行うタイミングなど、今後の治療戦略について議論したい。
パネルディスカッション6
「病理と対比した膵画像診断」
- 司 会:
-
- 古川 徹
- 東北大学大学院 医学系研究科病態病理学分野
- 伊藤 芳紀
- 昭和大学医学部 放射線医学講座放射線治療学部門
司会の言葉
膵臓は腹腔の深部に位置しており、その構造の複雑さから診断が難しい臓器の一つである。膵の嚢胞性腫瘍や慢性膵炎などの良性疾患と悪性腫瘍の鑑別には画像診断と病理診断の密接な連携が不可欠である。さらに膵癌や膵内分泌腫瘍などの悪性腫瘍においては早期発見と正確な診断が治療成績向上に直結する。近年、画像診断技術の精緻化や機能画像の進歩に伴い、微小な変化が病理像でどのような病変に相当するのか注目されている。本パネルディスカッションでは、病理と対比したCTやMRI, 超音波、PETなどの画像所見を提示いただくことで精緻な画像診断に基づいた微小病変の検出や良悪性の鑑別にフォーカスを当てて、症例提示をもとに議論したい。内科、外科、放射線科、病理など多くの領域からの演題応募を期待する。
パネルディスカッション7
「慢性膵炎の診断と治療」
- 司 会:
-
- 正宗 淳
- 東北大学大学院医学系研究科 消化器病態学分野
司会の言葉
本邦では2019年慢性膵炎診断基準が、2021年に慢性膵炎診療ガイドラインが改定された。診断基準にMechanistic definitionが新たな定義として採用され、ガイドラインでは、従来の代償期、非代償期に加え早期慢性膵炎を含む病期診断と病期に応じた適切な治療の重要性がより明確に記載された。しかし、早期慢性膵炎では他疾患との鑑別の困難性や、臨床経過や治療介入による可逆性など不明な点も多い。また、膵外分泌機能評価においては、BT-PABA試験が施行困難となり、膵外分泌機能不全をいかに診断するかという課題に直面している。さらに合併するサルコペニア、骨粗鬆症への対処、ESWLを含む内視鏡的治療から外科治療への移行のタイミングや局所合併症例に対する治療、早期治療介入の病態進行阻止、発癌予防、予後改善などについての効果など、未解決の課題も多い。本パネルディスカッションでは、次回の診断基準やガイドライン改訂を視野に、慢性膵炎診療の現状と課題克服に向けた方策について活発な演題応募を期待したい。
パネルディスカッション8
「膵癌におけるゲノム医療の現状と課題」
- 司 会:
-
- 森實 千種
- 国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科
司会の言葉
がんの分子遺伝学・分子生物学的検討が進み、また、次世代シーケンサー技術の進歩によりがんゲノムプロファイリング(CGP)検査が現実的な費用で実施できることになったことで、ゲノム医療ががん診療に急速に浸透した。予後が不良で治療選択肢が限られている膵癌においても、CGP検査は患者及び主治医に希望を与えてくれるツールとして、日常診療で広く活用されている。米国で行われたKnow Your Tumorプログラムでは26%もの患者にActionable mutationが検出されたとして大変期待される結果であったが、国内の膵癌診療におけるMatched therapyへの到達率はこの割合とは大きく乖離している印象である。少なくとも現時点ではがんゲノム医療が膵癌患者に十分貢献しているとはいいがたい。本セッションでは、膵癌におけるゲノム医療の現状を共有し、現在の問題点・改善点を話し合い、Matched therapyへの到達率を上げるための方策を議論したい。また、CGP検査の進歩・治療薬の開発状況も見据えてゲノム医療が膵癌患者により貢献する将来展望についても話し合いたい。
パネルディスカッション9
「切除可能膵癌における術前治療の治療成績」
- 司 会:
-
- 元井 冬彦
- 山形大学大学院 医学専攻外科学第一講座
司会の言葉
本邦では2019年に発表されたPrep-02/JSAP-05 studyの結果を受けて、膵癌診療ガイドラインでは、切除可能膵癌に対して術前化学療法を行うことが提案されている。しかし、治療効果の評価法が十分に確立されておらず、不応例では切除後の早期再発や病勢進行のため手術の機会を逸する可能性があり、そもそも80歳以上の高齢者では術前の有効性も明らかではない。また、予後不良因子とされるCA19-9高値のbiological BR膵癌に対する術前治療では、レジメンや治療期間について再考の余地がある。本セッションでは、切除可能膵癌に対する各施設での術前治療の適応とレジメンおよび治療成績を提示いただき、これらを検証することによって切除可能膵癌に対する術前治療の予後改善効果を最大化する方略および今後の治療戦略の方向性について議論いただきたい。
パネルディスカッション10
「膵局所合併症に対するintervention治療」
- 司 会:
-
- 入澤 篤志
- 獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座
- 木暮 宏史
- 日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野
司会の言葉
膵局所合併症は、膵炎に伴う膵仮性嚢胞(pancreatic pseudocyst; PPC)や被包化膵壊死(walled-off necrosis; WON)、主膵管破綻症候群(disconnected pancreatic duct syndrome; DPDS)、膵切除術後の膵液漏、仮性動脈瘤など、多岐にわたる。これらの病態に応じて、ERCPによる経乳頭的ドレナージ、lumen-apposing metal stentを用いたEUS下ドレナージ・内視鏡的ネクロセクトミー、EUS下膵管ドレナージ、経皮的ドレナージ・ネクロセクトミー、バルーン内視鏡を用いた経吻合部的膵管ドレナージ、IVRによるコイル塞栓術など、様々なintervention治療が行われる。しかし、特にWONやDPDSの治療においては、まだ多くの課題が残されている。本セッションでは、膵局所合併症治療に関して、治療戦略、効率性や安全性を高めるための取り組み、新たなデバイスの紹介など、内視鏡に限らず様々な角度から議論を行い、今後の診療に役立てることを目指している。多くの演題応募を期待している。
ビデオパネルディスカッション
「膵疾患に対するERCP関連手技のコツ」
- 司 会:
-
- 良沢 昭銘
- 埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科
- 島谷 昌明
- 関西医科大学 総合医療センター消化器肝臓内科
司会の言葉
膵疾患に対する内視鏡検査・治療手技の発展はめざましく,現在では様々なERCP関連手技が行われている。診断としては,ERCPによる造影検査のほか細胞診や生検,経口膵管鏡検査などが行われており,治療としては内視鏡的膵石除去術,胆道・膵管ドレナージ術などが日常診療で広く行われている。また近年では,術後再建腸管症例に対してバルーン内視鏡ERCPにより経乳頭あるいは膵管空腸吻合部アプローチで同様の手技を行うことが可能となっており、膵疾患に対する内視鏡診療はさらに重要な役割を果たすようになってきている。しかし,これらの検査・治療では手技に伴う問題点や偶発症も多く存在する。これらの検査・治療を安全かつ確実に行うためには,手技のコツやトラブルシューティングを知ることが重要である。本セッションでは,膵疾患に対するERCP関連手技のコツやトラブルシューティング法をビデオでご紹介いただき,成績を向上させる技術として共有できることを期待する。
ワークショップ1
「膵石治療のup-to-date」
- 司 会:
-
司会の言葉
膵石治療は体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、内視鏡的治療、外科的治療などを組み合わせて行われるが難渋することも多く、特に難治例は未だ十分なコンセンサスが得られていない。内視鏡的治療には、内視鏡的膵管口切開術、内視鏡的結石除去術、内視鏡的膵管ステント留置術などが挙げられる。また、治療難渋症例に対しては薬事未承認であるが、膵管鏡下電気水圧式結石破砕療法(EHL)、レーザー結石破砕術法の報告も認められる。さらに近年、経乳頭的アプローチのみならず、経消化管的アプローチによる膵石除去、ドレナージ治療の有用性も報告されている。膵管ステント留置術に関してはプラスチックステントの有用性評価がこれまで行われてきたが、研究レベルではメタリックステントによる成績も報告されている。外科的治療には膵管空腸側々吻合術やFrey手術などの膵管減圧術が挙げられるが、症例によっては膵管減圧術と膵切除術を組み合わせた術式が行われることもある。本ワークショップでは各施設の膵石治療の実際、工夫、治療成績,新たな試みなどを報告していただき、本邦における慢性膵炎患者のQOLを著しく低下させる膵石治療の現状と課題、そして将来展望を明らかにし、今後の膵石治療に役立つワークショップにしたい。全国から多数の演題応募を期待する。
ワークショップ2
「膵疾患と腸内細菌の現状と展望」
- 司 会:
-
司会の言葉
次世代シーケンサーによる解析技術の進歩により、腸内細菌叢と疾患の関連性を示す報告が急速に増加している。16S rRNA解析やショットガンメタゲノム解析により疾患特異的に関与する菌株の同定や構成種の多様性が示され、発癌や進展転移、抗がん剤耐性への関与が明らかとなった。また、メタボローム解析を駆使したメタオミックス解析により、菌株だけでなく代謝産物を含めた複雑な相互関係が腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)を引き起こし、自己免疫疾患や発癌に関与している。膵疾患においても、dysbiosisが膵炎や膵癌の病態を修飾していることが報告されており、腸内細菌の改変による発病予防や治療開発に期待が高まる。本セッションでは、基礎から臨床まで、膵疾患における腸内細菌の役割を示した研究成果を幅広く募集する。腸内細菌叢の研究で培った知見を今後どのように臨床応用していくべきか、内科及び外科治療における可能性も併せて示していただきたい。
ワークショップ3
「高齢者・超高齢者における膵癌治療の現状と展望」
- 司 会:
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- 池田 公史
- 国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科
司会の言葉
日本における膵癌患者は、50%以上が75歳以上で罹患しているという高齢化を迎えている。この高齢化は海外と比べて著しく、高齢者における膵癌治療の実際と治療戦略は日本において検討すべき重要な課題である。全身薬物療法においては、FOLFIRINOXの第III相試験(ACCORD-11)において、75歳までと年齢の上限を設定したことから、75歳以上を高齢者と定義することもあるが、70歳以上80歳未満を高齢者、80歳以上を超高齢者としては扱うこともある。高齢者、超高齢者を対象とした切除可能膵癌に対する切除や周術期治療、進行癌に対する薬物療法や放射線治療など、膵癌治療における高齢者特有の問題を明らかにし、前向きの臨床試験や観察研究、通常診療での治療成績などあらゆる角度から、高齢者にフォーカスした膵癌治療の現状と展望について、本セッションでDiscussionしたい。
ワークショップ4
「膵疾患におけるバイオマーカー up-to-date」
- 司 会:
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司会の言葉
従来、膵癌のバイオマーカーはCA19-9など糖鎖に基づくいわゆる腫瘍マーカーが主であった。近年、リキッドバイオプシーの活用を裏打ちする様々なオミックス解析技術の進歩に伴い新たなバイオマーカーの実用化が進みつつある。またこれまでのバイオマーカーの概念は疾患の早期発見・早期診断が中心であったが、臨床における集学的治療フローの変革と進歩、たとえば術前術後化学療法やConversion手術、新たなRI治療の導入などによって、バイオマーカーが検出すべき疾患・病態のフェーズが多様化しているのも事実であろう。言い換えれば、診断のみならず治療法選択における適切な判断をサポートするバイオマーカーもまた求められている。
よって本ワークショップでは例えば、1.膵癌に限らず様々な膵疾患の診断あるいは治療におけるバイオマーカーの最新の現状、2.新たな概念・検出系に基づくバイオマーカー探索・実用化へむけた試み、3.膵疾患診療においてマーカーの確立が求められる課題とそのバイオマーカー研究、などをご紹介いただき、聴衆の先生方と活発な議論を行っていただければと期待します。幅広い視点からの演題応募をお待ちしております。
ワークショップ5
「膵疾患に対する周術期における栄養管理」
- 司 会:
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- 丹藤 雄介
- 弘前大学大学院保健学研究科 生体検査科学領域
司会の言葉
2024年度の診療報酬改定では,「リハビリ-栄養管理-口腔管理」の推進を中心とした多職種及び同職種間での連携の推進と「標準的」な栄養管理の推進のためにGLIM基準が取り上げられた.膵疾患の周術期においても術前栄養管理,ERASの概念の確立が待たれるが,併存する膵内外分泌機能不全やフレイル,オステオサルコペニアへの対策も必要である.どの栄養指標をどの段階で用いるのか,PERTやインスリンの使用方法,薬剤師・管理栄養士・リハビリ職員などとの連携も論じたい.膵疾患の周術期におけるAIや機能画像評価など新規・栄養学的取り組みも含めた幅広い演題応募を期待する.
ワークショップ6
「急性膵炎診療をめぐる諸問題」
- 司 会:
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- 北村 勝哉
- 東京医科大学 八王子医療センター 消化器内科
司会の言葉
急性膵炎は本邦において年間受療患者数が増加傾向にある一方で、致命率は低下している。急性膵炎重症度判定基準2008の普及や診療ガイドラインの啓蒙などが治療成績改善に貢献したと考えられる。さらに改定アトランタ分類による局所合併症のカテゴリーも定着し、急性膵炎診療ガイドラインも2021年に改定され、急性膵炎診療の治療方針や臨床研究が整理されてきた。その一方で急性膵炎患者の一部は十分な集中治療を受けても早期に死亡する例や、後期合併症による長期療養を余儀なくされる例があるのも事実である。本ワークショップでは各施設での急性膵炎に対する輸液療法や経腸栄養療法を含む初期治療の管理、予後改善に結びつく重症度スコアの活用法、ガイドラインの遵守率、局所合併症に対する治療の時期や方法、再発性膵炎の現状、ERCP後膵炎の予防法などを中心に、急性膵炎診療を巡るアンメットニーズに関して演題をお願いしたい。当日は、ワークショップ会場に参加いただいた先生方と、活発な議論をしながら現在の急性膵炎を巡る諸問題について議論したい。
ワークショップ7
「20mm以下の膵神経内分泌腫瘍(G1)に対する戦略」
- 司 会:
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- 鈴木 修司
- 東京医科大学茨城医療センター 消化器外科
司会の言葉
膵神経内分泌腫瘍(PanNET)は稀少疾患であるが、近年その頻度は国内外ともに増加傾向である。疾患認知度の向上、CT検査や超音波内視鏡検査などの診断モダリティーの進歩や、EUS-FNA手技の普及により、特に20mm以下の非機能性PanNET(G1)症例に遭遇する機会が増えている。一方で小さなPanNET症例においては、日常診療における様々な問題点も明らかとなり、診断や治療方針に悩む場合が少なくない。具体的には、グレード分類やステージを正確に診断できるか、外科手術のカットオフとなる大きさ、経過観察や外科手術を行った際の長期予後、更に本邦では臨床研究として行われているEUS下治療の位置付け、など多くの臨床的課題が未解決である。本ワークショップでは、サイズの小さいPanNET(特に20mm以下、G1)の診断・治療に対する現状や問題点について、各施設の取り組みや成績を報告して頂きたい。内科、外科、放射線科、病理など幅広い観点から、今後の診療戦略につながる活発な議論を期待する。
ワークショップ8
「膵神経内分泌腫瘍の新たな知見」
- 司 会:
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- 伊藤 鉄英
- 福岡山王病院 膵臓内科・神経内分泌腫瘍センター
- 河地 茂行
- 東京医科大学八王子医療センター 消化器外科・移植外科学分野
司会の言葉
膵神経内分泌腫瘍(膵NET)の発生頻度は欧米よりも本邦で高率と言われており、膵NETの治療は時代とともに進化している。外科領域では低侵襲手術が積極的に膵NET手術にも応用され、最近ではロボット支援手術が活用される症例も増えている。根治切除不能な膵NETには、腫瘍の進行を抑制する治療が必要となるが、エベロリムスやスニチニブなどの分子標的薬の登場で治療成績が劇的に改善し、さらに2021年6月にソマトスタチン受容体陽性のNET治療として保険適用となったPRRT(ペプチド受容体核医学内用療法)の登場でさらに生存期間の延長が期待されている。本ワークショップでは、膵NETに対する最新の治療・知見を共有するとともに、複数の診療科や多職種の連携によって成し得る診断・治療の新たな領域についても活発な討議を期待したい。
ワークショップ9
「膵癌検診の現状と展望」 ※日本消化器がん検診学会との合同セッション
- 司 会:
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司会の言葉
膵癌の早期発見はいまだ困難であり、膵癌の予後改善のためにも早期診断法の開発は重要な臨床課題である。膵癌の検診方法は確立されていないが、地域医療連携を生かした早期膵癌診断のためのプロジェクト、膵癌ハイリスク群のサーベイランス、膵癌ドックなどの取り組みが国内外で行われ、成果があがってきている。また、メタボロミクスなど血液のオミックス解析やエクソソーム解析等を応用した膵癌バイオマーカーの探索、十二指腸液などを用いた早期診断のための研究、サーベイランスの中心となる画像検査の工夫なども精力的に行われており、これらの成果を膵癌検診にどのように組み入れていくかが重要な局面となっている。
本ワークショップは、日本膵臓学会と日本消化器がん検診学会の合同セッションとして企画されている。ついては、膵癌検診に資することのできる各種膵癌の診断法の基礎的研究成果から、最近各地域で増加している検診プログラムの評価と課題に関する実践的な報告など検診の社会実装に関する演題にいたるまで幅広く募集し、本セッションがより良い膵癌検診の確立を目指した今後の展望を議論する場となることを期待している。
ワークショップ10
「小膵癌発見の現状と課題」
- 司 会:
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司会の言葉
小膵癌の発見は、膵癌の予後を改善するために極めて重要な要素である。しかしながら、現状での小膵癌の発見率は依然として低い。小膵癌の発見には、リスク因子の評価と囲い込み、定期的な画像検査、バイオマーカーの測定、そして医療ネットワークの活用が鍵とされているが、これらの方法の更なる普及と精度の向上が求められている。また、小膵癌が疑われた際に行う精密検査に関しても意見が分かれている。上皮内癌を含む小膵癌に対するERCP下細胞診の有用性が広く謳われているが、その成績と安全性に疑問を呈する声もある。また、EUS-FNAにおいても、検体採取困難例や穿刺後の播種の問題が取り上げられている。小膵癌の診断困難例には診断的治療としての低侵襲手術の成績にも着目すべきところである。本ワークショップでは、このように多くの解決すべき問題点を残す小膵癌について、その現状と課題に関する発表を募集したい。各施設の診断成績と取り組み、バイオマーカーの有用性、画像診断および内視鏡検査のポイント、直面する課題に対する解決策、経過観察法など、多彩な切り口からの発表をしていただき、実りあるワークショップを開催したい。多数の演題応募を期待する。
ワークショップ11
「ERCP関連手技による偶発症の予防と治療」
- 司 会:
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司会の言葉
ERCP関連手技は、膵胆道疾患の診断や治療に欠かせない重要な手技ですが、手技に伴う偶発症は常に注意が必要であり、その予防と適切な治療が求められます。本ワークショップでは、ERCP関連手技における偶発症の最新の知見を共有し、様々な観点から議論を深めたいと考えております。
ERCP後膵炎は、最も頻度の高い偶発症の一つであり、その危険因子の同定と予防策の確立が急務です。また、出血性偶発症に対しては、迅速な管理と内視鏡的止血術の技術向上が鍵となります。処置による穿孔は重篤な合併症につながる可能性があり、早期発見と適切な治療戦略が求められます。ステント留置は効果的な治療法ですが、ステント関連偶発症の予防と対処法についても議論が必要です。さらに、高齢者や全身状態不良例におけるERCP関連手技は、より慎重な対応が求められます。
本ワークショップでは、これらの課題について、経験豊富な先生方からの知見を共有し、活発な議論を通じて、ERCP関連手技の安全性向上と偶発症対策の発展に寄与することを目指しております。皆様からの多数の演題応募を心よりお待ちしております。
ワークショップ12
「自己免疫性膵炎の内科的治療の限界と対応」
- 司 会:
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司会の言葉
1型自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患の膵病変であり、膵腫大、膵管狭細像、高IgG4血症を特徴とする日本から発信された疾患概念である。治療においてはステロイドが奏功するが、ステロイド減量・中止により再燃を繰り返すステロイド依存性症例やステロイド投与にもかかわらず胆管狭窄が残存するステロイド抵抗性症例も少なからず存在し、その対応法は施設によって相違がある。また、自己免疫性膵炎患者では膵内外分泌障害がみられるが、長期的な膵の機能的予後の観点からのステロイド導入が有効かどうかはわかっていない。さらに、長期経過を経た自己免疫性膵炎では、通常の慢性膵炎のように膵石や膵仮性嚢胞を形成する症例を経験するが、これらに対する治療の適応や成績についても明らかにすべきであり、長期経過観察中の再燃や発癌を考慮したサーベイランス法もコンセンサスが得られていない。
本セッションでは、自己免疫性膵炎に対する内科的治療の限界やその対応法について幅広い演題応募を期待している。
ワークショップ13
「膵癌に対するアナモレリンも含めた悪液質対策の現状とマネージメント」
- 司 会:
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- 光永 修一
- 国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科
司会の言葉
膵癌患者で高頻度に認める悪液質は、体重減少や食欲低下を特徴とし、抗癌治療中の有害事象やQOL低下に大きく関与するとされる。世界に先駆けて、我が国では2021年に悪液質治療剤としてグレリン受容体作動薬が上市された。その食欲刺激作用や骨格筋量を維持・増加させる作用に関する実臨床上の成績が報告されるようになり、最近では、身体機能の回復等を含む包括的な症状緩和作用、及び抗癌治療の有効性や忍容性への影響に注目が集まっている。一方、満足する治療効果を得られない患者集団の特徴も明らかになりつつあり、悪液質治療時期を見逃さない取り組みの重要性もわかってきた。
本セッションでは、膵癌患者を対象としたグレリン受容体作動薬等の悪液質治療の成績、その有効性予測因子や抗癌治療成績への影響に加え、早期に悪液質を発見する試み等を含めた包括的なアプローチに関する発表を募集する。発表いただいた成果に基づき、悪液質対策を膵癌診療に組み込む意義について考察いただき、今後の展望に繋げていただきたい。
若手award
「医学生・研修医・メディカルスタッフ・セッション(優秀演題賞)」
- 司 会:
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- 岸和田 昌之
- 三重大学医学部附属病院 肝胆膵・移植外科
座長のことば
本セッションは、膵臓病学・膵臓病診療の未来を切り拓く医学生、研修医、メディカルスタッフを対象とした発表の場として企画した。医学生には、学生ならではの視点で取り組んだ研究やその成果について、研修医には、実際に経験した症例報告や研究成果を共有してもらいたい。また、メディカルスタッフには、専門分野での実践例に加え、職種横断的なチーム医療や、多職種連携による地域医療や福祉との協働事例についての発表も期待している。発表内容は、基礎研究や臨床研究の成果に限らず、未完成の中間報告や取り組みの過程を含む報告でも構わない。テーマの意義や直面している課題、その解決に向けた新しい視点や独自性、そして将来の可能性について自由に議論を交わせる場としたいと考えている。
優秀な演題は表彰され、成果をさらに深める機会となる。本セッションを通じて、次世代の膵臓病学を共に築き上げる貴重な一歩となることを願い、多くの応募を期待している。
演題登録
演題登録に関してのご質問・お問い合わせ先
第56回日本膵臓学会大会 運営事務局
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