第42回日本大腸検査学会総会(The 42nd Meeting of the Japan Society of Colon Examination)

会期:2024年10月26日(土)・27日(日) 会場:コングレスクエア日本橋(〒103-0027 東京都中央区日本橋1-3-13 2F) 会長:樫田 博史(近畿大学医学部 消化器内科 教授)

ご挨拶

会長

第42回日本大腸検査学会総会
会長 樫田 博史
近畿大学医学部 消化器内科 教授

このたび、伝統ある日本大腸検査学会の第42回総会を、2024年10月26日(土)・27日(日)の2日間、コングレスクエア日本橋にて開催させて頂くことになりました。

大腸検査と言えば、本学会の発足時には大腸内視鏡・バリウム注腸造影検査・便潜血反応程度しか存在しませんでした。内視鏡は、ファイバースコープからビデオスコープ、高画素内視鏡や拡大内視鏡へと進歩し、いまや画像強調内視鏡(IEE)も欠かせぬ存在となっています。今世紀に入って登場したカプセル内視鏡(VCE)やCT colonography (CTC) は、その非侵襲性も相まって、徐々に普及しつつあります。さらに近年では内視鏡AIが開発・上市され、大腸病変の検出や質的診断のみならず、IBDでは治療効果判定や予後予測、腫瘍では治療方針決定への寄与も期待されています。診断学の発展は治療学の発展につながりますが、逆に治療の進化が、それに見合った診断学を育てる側面もあります。

熟練した内視鏡医や内視鏡技師はいうまでもなく、VCEやCTCにおける画像読影者やCTC画像作成のための放射線技師の育成が必要です。読影のためのAI の開発も進んでいます。内視鏡のみならずVCEやCTCにおいても良好な腸管前処置が前提であり、確実かつ安全で受容性のよい腸管洗浄剤の開発も望まれます。

大腸癌検出のためには、便潜血検査が化学的手法から免疫学的手法に移行し、近年では、遺伝子学的マーカー検査も開発されています。遺伝子と言えば、大腸癌に対する化学療法において、より有効なレジメンを選択するために遺伝子学的プロファイリングが必須となってきました。いっぽうIBDの経過観察においては、侵襲的な内視鏡や非特異的な CRP測定に変わるものとして、便や尿や血液に存在する化学物質を検出・定量することによって 病状や治療効果を把握することが可能になってきました。

以上の進歩は、臨床のみならず、基礎医学、生物学・理学・工学も含めた共同研究、企業努力から生み出されたテクノロジーの進化の賜物です。大腸検査は、単なる病変の検出・鑑別診断に留まらず、治療を前提とした診断学である必要があります。大腸検査発展のためには、内視鏡医・放射線医のみならず、優秀な内視鏡技師・放射線技師も欠かせません。そういった思いを込めて、今回のテーマを「―基礎医学・診断学・治療学― 総力で取組む大腸検査―企業・技師・医師―」とさせて頂きました。

工藤進英理事長をはじめとする理事・評議員諸先生方の御指導を得ながら、企画を練っております。内視鏡前処置・挿入から診断・治療に至るまで、また内視鏡以外のモダリティも含め幅広いテーマを取り上げます。一般演題や講演のみならず、実践的なハンズオンセミナーも企画しています。消化器内視鏡技師会や放射線技師会の更新ポイント取得ができるよう、申請中です。

多数の皆様の演題御応募と当日の御参加を心よりお待ちしております。